2.1版

オープンの定義では、知識に関する”オープン/open”という語の定義を明確にすることによって、相互運用性を最大化させ、誰もが参加可能となるように、共通の認識を広く周知させることを意図している。

サマリー: 出自とオープン性維持の評価のため、あらゆる人が対象のデータを自由に閲覧し、利用し、修正し、そして共有できることを 知識/knowledge がオープンであるとする。その際に掛けられる制限は、出自情報やオープンさの保持を考慮する程度に留められる。

この文書で言及される “オープン/open” とは、ソフトウェア分野における オープンソースの定義/Open Source Definition と関係をもつ用語であり、フリーソフトウェアの定義/Free Software Definition および 自由文化作品の定義/Definition of Free Cultural Works で定められている “フリー/free” や “自由/libre” などの用語と同義となっている。

作品/work とは、流通対象となる知識そのものや、その一部を指すために使われる。

ライセンス/license とは、当該の作品が提供される状況に対する法的な状態を意味する。

パブリックドメイン/public domain とは、著作権あるいは同様の権利制限条項が自動的に放棄された状態、あるいは明示的にそのような条項を放棄した状態を指す。

この文書における しなければならない/mustしてはならない/must notする必要がある/shouldしてもよい/may というキーワードは、RFC2119 における定義に従っている。

1. オープンな作品

オープンな 作品 とは、以下の条件を満たした状態で 頒布されなくてはならない

1.1 オープンなライセンスあるいは状態とは

作品 は、 パブリックドメイン あるいはオープンな ライセンス (第2項にて定義) のもとで 提供されなくてはならない。作品に対して、作品のパブリックドメイン状態やライセンス規約と矛盾する状態を定める追加条項 (例えば利用規約、ライセンサーによる特許取得など) を 付帯してはならない

1.2 アクセス

作品 はその全体が利用可能な状態とされなくてはならず、かつ、複製のための適切な価格の支払いを実施する場合は複数回にわたって 行われてはならない、さらに、インターネットを通じて無償でダウンロード可能とされる 必要がある。 ライセンスの順守に必要となるあらゆる追加情報 (例えば帰属情報表示の際に必要とされる貢献者の名前など) は作品に 付帯されなくてはならない

1.3 機械可読性

作品 は、コンピュータによって容易に処理が可能な形式で 提供されなくてはならず 、また作品に含まれる個々の要素に対するアクセスや修正が簡便に行える状態でなくてはならない。

1.4 オープンな形式

作品 はオープンな形式で 提供されなくてはならない 。オープンな形式とは、金銭的あるいはそれ以外のあらゆる制限が無く、少なくとも1つ以上の フリー/自由/オープンソース (free/libre/open source) なソフトウェアによって利用および完全に処理が可能な形式を指す。

2. オープンなライセンス

ライセンス はその他のオープンなライセンスと互換性を有する 必要がある

ライセンスは、以下の条件を満たす場合にオープンであるとされる:

2.1 必須となる許諾事項

ライセンスでは以下の事柄について、撤回不能な許諾 (あるいは許可) を 与えなくてはならない:

2.1.1 利用

ライセンスはライセンス対象作品の自由な利用を 許可しなくてはならない

2.1.2 再頒布

ライセンス は、ライセンス対象作品の再頒布を 許可しなくてはならない 。再頒布とは販売行為を含み、また作品そのものや、その他の様々な作品とを混在させる場合においても同様である。

2.1.3 改変

ライセンス は、作品の一部のみを利用した派生物の制作行為およびその派生物に対して、作品の一次配布時に付与されたライセンスと同様のライセンスによる頒布を 認めなくてはならない

2.1.4 分割

ライセンス は、作品全体を分割した一部のみを個別に利用すること、あるいは一次配布時の作品を分割して当該の作品の一部分のみを利用することや、再頒布行為、改変行為についても 認めなくてはならない。いかなる形式であれ、一次配布時のライセンス対象となる作品が含まれている頒布物を受け取った主体は、必ず、原作品で付与される権利と同等の権利を与えられる 必要がある

2.1.5 編纂

ライセンス は、ライセンス対象の作品が他の作品と同時に頒布される際、他の作品の頒布に制限を加えないことが 許可されなくてはならない

2.1.6 差別条項の禁止

ライセンス は、特定の個人や集団を差別 してはならない

2.1.7 伝播

作品が再頒布される際には、その再頒布された作品に対する権利が、他の法的な規約による追認を得ること無く 適用されなくてはならない

2.1.8 利用目的制限の禁止

ライセンス は、あらゆる目的による利用、再配布、改変そして編集を 許可しなくてはならない 。ライセンスでは、あらゆる人格が実施する、特定の領域における活動を 制限してはならない

2.1.9 料金領収の禁止

ライセンス は、その条件の一部としていかなる料金支払いの取り決めや、ロイヤリティ、あるいはその他の補償行為あるいは金銭的代償を 規定してはならない

2.2 付帯許容条項

ライセンスは、以下に挙げられる条項に合致する内容を除いて、2.1項で要請されるところの許諾条項に対する制限および不明確化を 行ってはならない:

2.2.1 帰属情報表示

ライセンス は、対象作品を頒布する際に、過剰とならない範囲において、貢献者や権利保持者、スポンサー、製作者等の帰属情報を表示させることを 必要とさせてもよい

2.2.2 完全性の維持

ライセンス は、ライセンス対象作品の改変版を頒布する際に、現作品と異なる名称やバージョン番号を適用させるか、あるいは作品に対する変更内容を明記して頒布するかのいずれかを 必要とさせてもよい

2.2.3 継承

ライセンス は、ライセンス対象の作品の複製や派生物に対し、原作品と同一あるいは同等のライセンスを保持することを 必要とさせてもよい

2.2.4 注記

ライセンス は著作権注記の維持やライセンスの明示を 必要とさせてもよい

2.2.5 元データ提示

ライセンス は、作品を頒布する際に、改変に適した形式へのアクセス方法提示を 必要とさせてもよい

2.2.6 技術的な制限の禁止

ライセンス は、作品を頒布する際に、対象作品に対して許可された権利を行使する際に制約となるあらゆる技術的処置を撤廃することを 必要とさせてもよい

2.2.7 非侵害

ライセンス は、当該のライセンスで許可されている権利の行使にあたって必要となる公的な追加許諾 (例: 特許ライセンス) を、改変者に対して 付与してもよい 。また、許諾された人格が許可された権利を行使しても、その行為は侵害に当たらない旨をライセンス内で 規定してもよい (例: 特許侵害訴訟)。


オープンの定義は、Bruce Parens氏とDebian開発者によって作成された Debian社会契約/Debian Social Contract の一部を為している Debianフリーソフトウェアガイドライン/Debian Free Software Guidelines を起源として派生した定義である オープンソースの定義/Open Source Definition より派生している。Bruce氏はオープンソースの定義を作成するにあたり、同一の文章を使用している。この定義はこれらの文章から十分な派生を行っており、これらの文章の主要な信念を保持している。我々が継続しているソフトウェアの自由の理念を最初に推し進めたのは Richard Stallman氏である。